Newsletter Vol.5

治験、臨床研究の新たな体制構築 ―基礎研究から臨床開発に向けて―

「中央西日本臨床研究コンソーシアム」への期待

中央西日本臨床研究コンソーシアム(メガホスピタル)を活動のフィールドとして位置付け、岡山大学病院が臨床研究中核病院に選ばれたことをうれしく思っています。当院でも、独自の自主臨床研究や、他施設共同臨床研究を行っていますが、倫理委員会の準備や症例の管理・登録など、病院独自では作業量が多く苦慮しているところです。この度、岡山大学病院が臨床研究中核病院に選定されたのを期に、当院内でも臨床研究支援センターを立ち上げ、治験業務と臨床研究の双方をサポートする体制を整備したところです。メガホスピタルが活動を本格的に始めれば、岡山大学病院を中心に症例の登録や各種の事務作業の合理化が可能となり、各参加医療機関の負担軽減にもなり、ひいては臨床研究を速やかに進めることができることを期待しています。岡山大学病院が、臨床研究中核病院として日本をリードする成果を上げることを願っています。

岡山大学病院 「新医療研究開発センター」について

各研究を戦略的に推進 人材育成を担う

新医療研究開発センターは岡山大学病院内における橋渡し研究・臨床研究・治験を戦略的に推進するための中央施設として、平成22年1月に発足しました。槇野博史センター長(病院長兼任)の強いリーダーシップのもとに活動し、企画運営部、再生医療部、橋渡し研究部、臨床研究部、治験推進部、次世代医療機器開発部、人材育成部の7つの部から成り立っています。
具体的には、質の高い治験及び臨床研究のさらなる推進▽岡山大学病院を中心とした治験ネットワークの構築▽グローバル治験の推進による創薬とエビデンスの発信▽再生医療、遺伝子治療、細胞治療等の新たな医療を開発し実用化するための研究の実践▽治験、臨床研究、橋渡し研究にかかわる医師やコメディカルスタッフの育成―などを行っています。

臨床研究 ステップアップセミナーを開催

臨床研究を計画している岡山大学職員、同大学院生を対象に、臨床研究ステップアップセミナーを11月7日、28日に開催しました。7日は新医療研究開発センターの丸山貴之助教、大野彩助教が臨床研究を始めるにあたっての進め方や研究デザインについて、28日は同センターの吉原久美子助教、大野彩助教が倫理審査をスムーズに受けるためのポイントなどについて講演しました。両日とも200名を超える参加があり、若手研究者の関心の高さがうかがわれました。 日時:平成26年11月7日(金)、28日(金)18:00~19:30
場所:岡山大学歯学部棟 4階第一講義室

革新的医療技術創出拠点プロジェクト 拠点調査(サイトビジット)を受審

11月21日、文部科学省・厚生労働省による平成26年度革新的医療技術創出拠点プロジェクト拠点調査(サイトビジット)を受審しました。文部科学省の井上隆弘 研究振興局ライフサイエンス課専門官、同課 馬場大輔課長補佐、厚生労働省の福光剣 研究開発振興課治験推進室長補佐らが来院し、シーズ開発、臨床研究の進捗状況などについて確認されました。概ね適正な体制整備が着実に形成されていることが確認され、今後より一層の整備を期待している旨の評価をいただきました。 日時:平成26年11月21日(金)10:00~12:00 13:00~15:00
場所:岡山大学医学部 管理棟3階大会議室

第3回 国立大学附属病院臨床研究推進会議 中国・四国地区連絡会 開催

12月13日、岡山大学病院で第3回国立大学附属病院臨床研究推進会議中国・四国地区連絡会が開かれました。中国四国地方の全国立大学病院と川崎医科大学から参加が有り、槇野博史病院長より、国立大学附属病院長会議、将来像実現化WG、研究プロジェクトチームの内容等について報告があった後、各大学から寄せられた協議事項などに対して活発な意見交換が展開されました。 日時:平成26年12月13日(土) 11:00~13:00
場所:地域医療人育成センターおかやま(MUSCAT CUBE) 3階講義室

橋渡し研究加速ネットワークプログラム キックオフシンポジウム 開催

12月13日、「橋渡し研究加速ネットワークプログラムキックオフシンポジウム」を開催しました。森田潔岡山大学長による開会挨拶の後、馬場大輔 文部科学省研究振興局ライフサイエンス課長補佐より「新たな医療分野の研究開発体制の構築に向けて」、谷本光音 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科長が「橋渡し研究加速ネットワークプログラムに選定された岡山大学の取り組み」をテーマに、さらに永井洋二先端医療振興財団臨床研究情報センター副センター長が「アカデミアで進む革新的医療技術開発―達成と挑戦―」とそれぞれご講演され、引き続き行われた公開シンポジウムでは、国際水準の臨床研究を目指す中四国の各大学の取り組みについて報告がありました。
学内外から200人余りが参加し、閉会後には岡山大学病院に新しく開設されたフードコートで懇親会が行われました。 日時:平成26年12月13日(土)13:00~17:30
場所:岡山大学医学部 臨床講義棟 臨床第一講義室

次世代医療機器開発プロフェッショナル 育成・事業化促進プログラムを開講(全11回)

医療機器開発に関心のある企業の方を対象に、基礎知識習得から医療機器開発までを総合的に学習できる研修プログラムを平成26年12月から開講しました。企業の技術シーズと医療現場のニーズのマッチングによって産業界と医療現場の連携をより一層強化し、国内外の医療ニーズを満たす新たな医療機器開発の推進を図っていきます。

《開講日程》
(1)平成26年12月6日 「次世代医療機器開発ガイドライン」
(2)平成26年12月6日 「国際規格を踏まえた医療機器のリスクマネジメント」
(3)平成27年1月17日 「新機能(C1)・新技術(C2)に位置付けされる医療機器開発について」
(4)平成27年1月17日 「医学英語1」
(5)平成27年1月17日 「医学英語2」
(6)平成27年1月24日 「次世代医療機器評価指標について」
(7)平成27年1月24日 「医療ニーズに立脚した医療機器開発の重要性」
(8)平成27年1月24日 「ゴールを見据えた機器設計・研究開発・法規制対応計画の立て方」
(9)平成27年1月31日 「PMDA講座」
(10)平成27年2月18日 「医療現場でのニーズ発掘」
(11)平成27年3月(予定) 「医療用ロボット開発の歩み」

今さら聞けない 用語解説

【プロトコール】Protocol
研究実施計画書。研究の目的、デザイン、方法、統計学的な考察及び組織について記述した文書(正式な手続きを踏んで改訂されたものを含む)。
【SOP】Standard Operating Procedure
標準業務手順書。各々の業務ごとに、その業務を均質に遂行するための手順を詳細に記述した文書。
【IC(インフォームド・コンセント)】Informed Consent
被験者の研究への参加の意思決定と関連する、研究に関する必要事項の説明が十分なされた後に、被験者がこれを理解し、自由な意思によって研究への参加に同意し、書面によってそのことを確認すること。インフォームド・コンセントは、被験者もしくは代諾者による記名捺印又は署名と日付が記入された同意文書をもって証明される。
【IA(インフォームド・アセント)】Informed Assent
小児患者の研究に際して、担当医師が保護者からのインフォームド・コンセントを得るだけでなく、当事者の子どもに対しても研究参加に関する説明および同意取得を行うこと。

研究者の横顔 vol.1

疫学、生物統計を専門に研究 今後は教育にも関わりたい
私は疫学や生物統計を専門としていますので、データから健康に役立つ知識を見いだします。解析はよく行き詰まりますが、そういう時には息抜きで別の解析をします。これを言うと、友人たちは私が悪い病気に罹ったかのように心配してくれます。友情には大変感謝していますが、自分の好きな事が他人からは嫌われているのは、妙な気分です。このように医学部では多くの人が統計学に苦痛や嫌悪感を感じているようです。最近では、この原因は統計学自体ではなく、その教育にあると考えるようになり、医学部での統計学教育というテーマでの研究を着想しました。今後は、私自身の力量を高めるだけではなく、教育というテーマにも関わりたいと考えています。